神戸ベイシェラトン ホテル&タワーズの宿泊記⑤ インタビュー編
神戸ベイシェラトン ホテル&タワーズの宿泊記⑤ インタビュー編
こんにちは。
プラチナレジデンツです。
前回は神戸ベイシェラトン ホテル&タワーズのお部屋、ラウンジ、朝食、その他の設備についてレポートしましたね。
今回は神戸ベイシェラトン ホテル&タワーズのスタッフの方に、インタビューした内容をご紹介しようと思います。
神戸ベイシェラトン ホテル&タワーズでは、副総支配人の磯部さんにお話をお伺いしました。
早速ですが、このホテルの特徴はどんなところになりますか?
「こちらが開業したのが1992年6月25日なので、まもなく30周年を迎えるんです。
元々は神戸にあるインターナショナルのホテルというと、神戸ベイシェラトンだけだったんです。
開業当初、日本で初めての人工島と言われているのがポートアイランドで、この六甲アイランドが二番目の人工島になります。
ポートアイランドはどちらかというと、商業施設とか医療産業が発展のところで、中心となるのがポートピアホテルさんが大きなコンベンションも持たれて、大規模・大人数を集めてます。
我々の六甲アイランドというのは、海上都市になりますので、どちらかというと、商業というよりは住民の方の島という色合いが濃くて、人口が約2万人になります。
その中で商業施設として、この神戸ベイシェラトンがあるアイランドセンター駅を中心として、いろんな飲食店とかプチデパートや映画館もあったりしました。
1992年から神戸の震災前くらいまでは、関西でも休日には出かけてみたいオシャレな町『六甲アイランド』ということで、いろんなところからいろんな人が来られてました。
それが、震災があってから、ちょっとづつ右肩下がりになってきて、商業施設でも大きな会社が三宮の方へ移転して、寂しい町になってきていたんです。
元々、神戸ベイシェラトンは、初代のオーナーがJTBで、その後、外資系のソラーレというところ、今は三代目のオーナーはニュー淡路で、2011年12月から9年経ったというところです。
『六甲アイランド、東神戸でどのようなホテルでお客様をお迎えできるか』というところで、わざわざ、橋を渡って来ていただかなければならない。三宮から遠いという地の利が悪いということが、かつて言われてましたので、『目的をもって来ていただける施設にしましょう』ということで、いろんなリノベーションをスタートしました。
まずは、2013年にシェラトンマルシェというフードショップをオープンしました。
それまでは、外資系のホテルとして、フェアなどでもアメリカフェアとかカナダフェアとか外国中心のをやってたんですけど、やはり、『せっかく神戸、兵庫に来ていただくので、地産地消のお料理をもっと提供しましょう』というところで、地産地消の商品を紹介できるショップという位置づけです。
その後に六甲温泉ですね。
ニュー淡路は、もともと須本温泉というところでやっておりましたので、その得意とするところの温泉で、『温泉につかって地産地消のおいしいお料理を食べて、ゆっくり過ごして帰っていただきましょう』ということで、2014年にオープンしました。」
それじゃ、温泉は元々あったわけではないんですね。
「そうなんですよ。掘ったんです。
2011年か2012年くらいからボーリング調査を始めまして、ある一定のところを掘ったら、行けそうな信号が出るのと、衛星から撮った写真を見たら、実は大阪湾一帯に大阪層群という熱だまりの層があるんです。
たまに外れはあるみたいなんですけど、まず、掘ったら出てくるだろうということで、2013年にボーリングが終わって、そこから本格的に掘り始めて、1年、2年かけて掘って、だいたい1000メートル行ったところで、40℃ちょっとのお湯が出て、行けるかなぁというところだったんですけど、やっぱり、マグマに近ければ近いほどお湯が熱くなるので、神戸ベイシェラトンは1600メートルまで掘りまして、56.5℃のお湯が出ましたので、このお湯を活かさない手はないだろうということで、わざわざ『源泉かけ流し』とさせていただいてます。
加水も加熱もせずにお湯の出し入れで温度を調整するという方法で、ずっとやってきています。」
お湯の量ってどうなんですかね?
有馬温泉の方は、源泉の量が減ってきているという話も聞くようですが。
「そうなんですよ。
だいたい、普通の温泉でしたら20リットル出ればいい方だそうですが、神戸ベイシェラトンはすごくて、毎分最大400リットル、普通はだいたい200リットルくらいを汲む上げながらやっているというところですね。
山を越えてまっすぐ行ったところが有馬なんです。
ですから、『このお湯の色は有馬の金泉にちょっと似ているね。』と開業当初はよく言われてたんですけど、もしかしたら、縦の層で何かあるのかもしれないですね。
確証がないので、あんまり言えないんですけど。
この温泉が起爆剤に大きくつながったというところですね。」
それが何年前でしたっけ?
「2014年の4月26日。
ウチのGMは4月26日で『良い風呂の日』とか言ってますけど。覚えやすいように。(笑)」
なるほど、覚えやすいですね。(笑)
見た感じが新しそうだったので、改装か何かと思ったんですけど、それまでは、あの場所は何があったんですか?
「あそこはですね、元々、ホテル本館とアネックス棟(別館)と呼んでたんです。
そこに、かつてはカラオケボックスとか、居酒屋とか、中国料理店とかが入ってたんです。
それが、やっぱり利用する人が少なくなったので、大きな会社が出て行って、空きスペースになってたんですよ。」
そうなんですね。それじゃ、そこにうまくマッチしたんですね。
「そうです、そうです。
なので、既存の建物で作ったので、一から作るんでしたら、もっと耐震性を考えての工事なんですけど、やはり神戸市の方が震災以降厳しくなってますので、本当はもっと浴槽をいっぱい作りたかったんですけど、お湯の重みで建物がっていうところを考えて、女性のところは大きなお風呂内湯と露天風呂、男性のところは内湯二つと露天風呂、あとは打たせ湯、寝湯ですね。」
そのお湯の温度管理というのは自動でされてるんですか?
時間帯によって、ちょっと温めだったり、熱めだったりするようなんですが。
「難しいんですよ。
自動でなくて、自分たちの出し入れで、一応、検温は一時間に一回とかしてるんですけど、その状況や気温に応じて、やっぱり、自然のものですので、だいたいこれくらいで上がってきてても、温度が低い時があったり、逆に高すぎる時があったりとか。
だいたい、冬場は40℃以上でやらないと、お客様から温いとご指摘があるので。」
冬場はそうですよね。
「でも、あんまり熱すぎると、今度は入れなくなるって言う難しいところなので。。。」
それを人で管理されてるんですね。
「そうなんです。
お客さんにご指摘は受けるんですけど、神戸ベイシェラトンは源泉かけ流しにこだわってますので。
一番楽なのは、本当に加水とか加熱とかしたら、温度管理は楽なんですけど。
だから、ベイシェラトンでは毎日、全部お湯を捨てて、取り替えているんですよ。」
あぁ、毎日のメンテナンスの時間にですか。
「毎日、2時間のメンテナンスの時と、夜、営業が終わってから、大きいお風呂はお湯を捨てて、奇麗に洗ってお湯を貯めて、小さいお風呂の方も朝の10時半から12時半までに、お湯を全部捨てて、洗浄して、貯めてというのを毎日、その繰り返しです。
一般的に加熱式のお風呂っていうのは、一週間から十日はまったく同じお湯を使ってるんですよ。」
循環して、塩素消毒とか、不純物を取り除いて、ってことですね。
「だから、極端な話、十日前のお湯に『いい湯だなぁって浸かってることもある』ということですね。悪い言い方をすれば。
ただ、ベイシェラトンは源泉かけ流しにこだわってますので、毎日、お湯は捨てているということです。」
内風呂も露天風呂も源泉かけ流しなんですね。
「そうなんです。」
でも、一応、塩素とかで消毒はしてるんですか?
「しています。塩素も入れてます。
当初、いろいろやったんですけど、やっぱり、レジオネラ菌とかいろんな問題がありますので、ある程度のところの消毒は、ギリギリのところでやっています。」
そうなんですね。ここは湯上りのスペースが広いですよね。
「そうですね。あれが浴槽を作れなかった代わりに、お風呂を上がった後に、『ちょっとゆったりしていただけるスペースを作りましょう』というところで出来たのが、あの湯上りラウンジですね。」
本当はお風呂の中にも、ちょっと休めるような場所があると、着替えて出たり入ったりしなくて良いかなぁとも思うんですが、スペースの関係なんですね。
「そうなんです。スペースの関係なんです。」
昨日も大勢いらしてたようですが、けっこう好評ですか?
「そうですね。お客様もだいぶ定着していただいてます。
やっぱり、成分がアトピーとかにも効果があったりとか、冷え性に非常に効果があり保温効果が高いのと、あと、PHが6.85で美肌のお湯でもありますので。」
割合としては、日帰りの方と宿泊の方だったら宿泊の方が多いんですか?
「圧倒的に宿泊の方が多いです。」
日帰りの利用はそれほど多くないんですかね。
「ただ、ご近所の方で、毎日来られている方もいらっしゃいます。」
毎日ですかぁ。それはすごいですね。やっぱり、温泉がこのホテルの目玉なんですね。
「そうですね。やっぱり、温泉が一番、目玉なところですかね。
あと、このホテルは270室客室があるんですけど、その規模にしてはけっこうレストラン数がありまして、フランス料理、鉄板焼きのお店、スカイラウンジ、中国料理、日本料理、バイキング、スポーツパブとかあったりしますので、わりとこの規模では多いくらいです。
現在、一部、休業しているところもありますけど。」
そのお店は、どういう方が利用される想定で運営されてるんですか?
「やっぱり、お昼は近隣の方が中心にご利用いただいて、週末とかでしたら、地元の方のお祝いですとか、お誕生日、記念日とかの団体でのご利用が、これまでは非常に多くて、今はどちらかと言えば、ご宿泊の方を中心に、一泊二食で利用される方のお食事会場になっているような感じですね。」
やっぱり、このコロナの影響で何か変わりましたか?
「逆にコロナの影響で、今、一泊二食のGotoトラベルで 最大、一万四千円までが割引きになりますので、一泊二食で泊まられる方がほとんどでして、平日でもレストランが埋まっていることが、今は多い状況ですね。」
なるほど、二食付きで泊まられる方が多いんですね。
でも、レストランが休業しているところがあると、利用も偏った感じになるんでしょうか。
「どこかが休業しないと、コロナの中で経営的なところもあるんですけど、ずっと営業しているとスタッフが忙しいというところもあるので、そこは休業日とか、メンテナンスを入れさせていただきながら、営業していかなければならないかなと思ってます。
他のホテルさんでは、レストランを開けずにずっとやられているところもありますし。」
そうなんですね。
今朝もバイキングを利用したんですけど、結構、宿泊客で賑わってますね。
以前なら、10時前には人もまばらな感じだったんですけど、今はそのくらいの時間から来られる方もお見受けしたので。
「チェックアウトが12時ですので、朝食食べてちょっとゆっくりして帰りましょうという方が大半ですので。」
前はそうでもなかったと思うんですけど、最近は観光で早く出られる方が少なくなった感じなんでしょうか。
「そうですね。
ちょっとした小旅行で来られて、ゆっくりして、ここで完結されて帰ろうという方も非常に多いですね。
わざわざ、人が多い三宮とか人混みに行くよりは、ホテルでゆっくりして、おみやげ物でも買って帰りましょうというパターンが、やっぱり増えてますね。」
そういうことなんですね。ここも、前は海外からのお客さんは多かったんでしょうか。
「神戸ベイシェラトンでしたら、海外からのお客様はだいたい20%から多い時で30数%ほどいらっしゃったんですけど、それほどインバウンド重視のホテルではなかったです。大阪のホテルさんでは6割、7割がインバウンドというところもあるので。
なので、インバウンドが急に来られなくなったから大打撃、というところではなかったです。」
それじゃ、そこそこは稼働していたんですかね。
「いや、でも、緊急事態宣言とかがあり、やっぱり、3月から6月くらいまでは本当に閑散として、こんなに静かなんだなぁって感じでしたね。」
それじゃ、その期間中もストップはせずにオープンはされてたんですね。
「そうです。
しんどいながらもストップはせずに、ずっと毎日休まずに営業してましたが、ただ、縮小営業しなければならないので縮小営業しながら。
7月からGotoが始まり、そこから少しづつ、お客様が戻ってきたような感じですね。」
そうなんですね。12月の初めくらいに大阪のホテルに行ったときはロビーも閑散としていたのに、こっちに来たら、3時のチェックインの時にすごい行列が出来てたので、すごいなぁと思って。
「恐らく、今、マリオットの会員の方が非常に多くご利用いただいていて、大阪で割引が利かないので、それなら、少し足を延ばして、駐車場も無料だし神戸へ、というのがあるんじゃないかと思ってます。」
それで、大阪がダメだからというので、神戸に流れてきてるんですね。
「そうなんです。
今日もすごく多くの方が来られるんですけども、やっぱり部屋数に限りがあり、なかなかアップグレードの対応ができなかったり、レイトチェックアウトの対応ができなかったりというところで、ご迷惑をおかけしてるんですけど、それくらい流れてきています。」
ということは、けっこう満室に近い形で回ってきているという感じなんですかね。
「満室ではないんですけど、大阪とかに比べたら、たぶん、倍以上の稼働率ではないかと。」
やっぱり、Gotoの影響が大きいというところなんですね。
「あと、もう一つはウェスティン淡路さんが9月で終了されて、グランドニッコー淡路になられたので、兵庫県でマリオット系列のホテルがベイシェラトンだけですので。
あと、温泉があるというところで選ばれてるんだと思います。」
そうすると、一般のお客様より、マリオットの会員の利用が多いんですかね。
「そうですね。マリオットの会員様のご利用が増えています。
毎年、12月はステータス維持の関係で、毎年、駆け込みで来られる方は多いんですけど、今年はそれに輪をかけて、大阪がGotoがダメなので、神戸でというのがあるようです。」
今年はマリオットのステータスは一年間延長になったので、今のステータスが維持できるから、あんまり駆け込み需要はないかと思ったんですけど、そうでもないんですね。
「いえ、けっこう来られますね。一応、Gotoが1月末までというのがあるので、その間に12月までに泊数を、というのもあるんじゃないですかね。」
なるほど、どうせならお得に泊まれた方が良いというのがあるんでしょうね。
それでですかね。けっこうラウンジとかも混んでるようで。
「そうですね。ラウンジもすごく多くご利用いただいてまして。
元々、テラス席は外に開けられるような仕組みになってるんですけど、それと、窓を少し開けておかないと、どうしてもやっぱり、お酒を提供していますので換気をしておかないと、安心してお使いいただけないというのがありますので。」
それで、混んでくると下のパブも臨時で開けてるんですね。
「そうですね。やはり、稼働状況に応じて、そちらにもご案内して、今はダブルでやっているという状況です。」
けっこう、スタッフの方とか大変ですよね。
「そうですね。
でも、そうしないと、お待ちいただくということになるのと、やっぱり、安全のところが一番というのもあるんですけども、いろんな過ごされ方をされますので、『7時にならないと空かないんです。』と言っても、7時からレストランの予約を入れてるので、それまでに利用したいという方もいらっしゃるでしょうし。」
けっこう小さなお子様連れのお客様が、多いような印象だったんですけど。
「その方々はクラブフロアにお泊りの一般のお客様で、Gotoでお得に泊まれてファミリーの方が増えていますね。」
それは、最近ですか?
「10月くらいから多くなりましたね。」
それまでは、どんなお客さんが多かったんですかね?
「それまででしたら、男女のカップルの方とか出張の方とか。今はリモートとかの会議も増えていて、出張の方もほぼ、なくなっているという感じですね。」
その代わりに今は、家族連れの方が増えてるんですね。
「今はあまり大っぴらに、来てくださいとか言えないですからね。。。」
時期的にそうですよね。でも、クリスマスや年末年始もいろんな企画とかされてるんですよね。
「そうですね。状況によってどうなるかは。。。
正月のイベントも例年、昼もやってたんですけど、昼は止めて夜だけにしました。」
お昼をやめるというのは、どういう理由からなんでしょう?
「お昼というのはどちらかというと、地域の皆様が9割以上、ご家族でいらっしゃるんですけど、やっぱり、ご宿泊の方が中心でご利用いただいているので、夜、ご宿泊の方によりご利用いただけるようにということで、レストランの一つとして宴会場を利用して、というところなんです。
ですので、昼にお客さんを呼んでしまったら、ホテルがすごく密な状態になって、たぶん、チェックインの時間と昼のイベントが終わった時間と重なってしまいますので、そういう危険性ですね。」
なるほど。地域の人というのは、平日も週末も同じような感じでいらっしゃるんですか?
「どちらかというと、週末の方が多いですね。」
やっぱり、今は宿泊の方をメインに楽しんでもらうための、イベントとかを考えてるんでしょうかね。
「そうですね。ご宿泊の方にやっぱりホテルに来たから、ちょっとした華やかさがないと。
例年でしたら、カウントダウンライブもやってましたし、縁日コーナーとかもやってたんですけど、それは飛沫の心配もあるので、止めさせていただいてますね。」
ここも、今、クリスマスが近づいてきて、クリスマスの飾りつけとかがあって、良い雰囲気ですよね。
「そうなんですよ。
ずっと暖かかったので、なかなかクリスマスというイメージはなかったんですけど、少しづつそれらしくなってきましたね。」
「あと、ベイシェラトンでは今年からシェラトンドッグという、ワンちゃんが泊まれるところがオープンしました。」
へぇ、それはワンちゃんと一緒に泊まれるお部屋ということではなくて、ワンちゃんを預かってくれるということですか?
「そうです。ワンちゃんをこちらに預けて、人はこちらの本館の方に泊まって、翌朝、一緒に出かけましょうということです。」
それじゃ、自分はホテルに泊まらなくても、ワンちゃんだけ預けるということも可能なんですか?
「もちろんです。」
ドッグランとかもあるんですか?
「犬の幼稚園のところにドッグランがあります。」
お部屋もスタンダードとか、スイートとかもあるんですね。
「そうです。スタンダードで1.6㎡、畳一畳分くらいあるんです。
動物を飼ってらっしゃる方が留守にするときに、ペットショップに預けられると思うんですけど、どちらかというと、積み上げ式のところが多いんですね。
小型犬でしたら、3段か4段か5段になったところの2段目に入って、下手をしたら一週間、そこで過ごすとか。
そうしたら、そういう檻みたいなところに閉じ込められるよりは、シェラトンドッグは日本でも、たぶん初めてホテルの直営でなので、一室毎に天井まで吹き抜けで区切られてるんですよ。
なので、泊まられるワンちゃんに負担がないようになっているのと、各部屋にシェラトンのスイート・スリーパーベッドを作っているシーリー社のベッドを標準装備してます。
スタンダードのお部屋で3万円のベッドを置いてるんですよ。」
へぇ、ワンちゃん専用ベッドですか。
「そうなんです。寝崩れしないベッドなんです。」
大型犬だと、大きいベッドになるんですかね。
「そうですね。部屋によって異なりますが、大きいのだと、8万円くらいのベッドになります。」
掃除も結構、大変なんでしょうね。
「専門の係がおりますし、ベッドは専用のカバーが洗えたり、匂いが付かないような中の構造になっています。
あと、グルーミングサロンがあったり、犬のしつけ教室などがあります。
なので、本当にコロナがなければ、恐らく、年末年始は満室くらいになってたと思うんですけど、今はちょっと、ご旅行のキャンセルが少し、出てきてるんですけども。
コロナがなければ、ベイシェラトンから関西国際空港の方に1時間に1本バスが出てるので、シェラトンドッグにワンちゃんを預けいただいて、車を地下駐車場に置いて、そのままバスで関空まで行って、ご旅行とか出張が終わったら、また、ワンちゃんと会えるという仕掛けを作ったんです。
こちらの5室は時間外でお迎えが23時まで出し入れできるというのも、飛行機はよく遅れる場合があるじゃないですか。
そうすると、その日のうちに会えないというのを延長料金を払っていただいたら、こちらの扉から出せて、その日のうちにワンちゃんと対面できるというわけです。」
さすがに、ワンちゃんと一緒に泊まれるお部屋というのは、今のところないですよね。
「ないですね。
ワンちゃんも24時間、四六時中一緒だとストレスに思われる方もおられるので、神戸ベイシェラトンでしたら、明日の朝にまた会えますし、営業時間内でしたら、いつでも見に来ていただいて良いですし、専門の係がちゃんと散歩にも行きますので。
ワンちゃんと一緒に旅ができるというのは、神戸ベイシェラトンと洲本の海のホテル「島花」、ここはワンちゃんと一緒に泊まれるんです。
四国の「阿讃琴南」という山のリゾート、ここもヒュッテでワンちゃんと泊まれるんです。
それと、岡山県の「津山別邸」もワンちゃんっと泊まれるところがあるんです。
最大、4泊5日の旅が出来るわけです。」
ここは年末年始も関係なく、ずっと開いてるんですね。
「そうです。」
実際には、どういった方からの問い合わせが多かったですか?
「オープン当初は、やっぱり、近隣の方が多かったです。
コロナの前は、『来週、フランスに行くから二週間預かってください』とか、いらっしゃいました。
コロナになってからは、宿泊で中部とか関東から来られる方が、ワンちゃんと一緒の宿泊プランもありますから、お預けになるということもあります。」
ワンちゃんにとって、スペースの広さはある程度は大事かと思うんですけど、天井の高さって、ストレスに関係するんですかね?
「積み上げだと、やっぱり、上から音がするじゃないですか。上のワンちゃんが鳴いたりとか。
そしたら、やっぱり、上の音が気になって、一週間預けたら、一週間、その状態で過ごすと、ワンちゃんの精神衛生的にもストレスになりますよね。」
確かに上からの音は気になりますね。
ここはバスもあるんですね。
「ここもマイクロバブルを一つ入れてますので、それで洗ったりとか。」
犬の幼稚園でしつけのコースもあるんですね。ここでは、どんなことができるんですか?
「まず、生後間もない赤ちゃんでトレーニングができていない子とか、何歳未満とか区切ってるんですけど、これから一緒に生活していく上で基本的なマナーですとか、『待て』ができないとか、ずっと遠吠えするとか、そういった癖をトレーナーが直していくというところですね。」
これは、一か月間でそういうカリキュラムを組んでるんですね。
「そうです。そうです。
今も、数頭、犬の幼稚園に通っている子がいますし、この間も1頭、入園しました。」
ここでトレーニングをすると、トレーナーさんの指示だけでなく、飼い主の指示にもちゃんと従うようになるんですか?
「飼い主さんのご協力も得て、出来るような形にしていますね。
ワンちゃんのレベルに応じて、飼い主さんのご要望によっても卒園の時期はそれぞれですね。」
シェラトンドッグを始めようと思ったキッカケとかってあるんですか?
「元々、六甲アイランドというのは30年前からワンちゃんと一緒に住める街だったんです。
最近は、ワンちゃんOKのアパートとかも増えてますけど、30年前でそういうところは、なかなかなかったんです。
この近くの人工川のところは車も入ってこないので、散歩もさせやすいですし、飼い主の方も周りの方もマナーが良くて、非常にワンちゃんを可愛がっている街でもあり、地域のためというのが一つと、今後、東京オリンピックとか海外の方とか、いろんな日本の方が来られるときに関空から来られる方も多いので、そういう方にバスが出てる神戸ベイシェラトンに預けて、楽にご旅行していただけるというところの起点として、シェラトンドッグをということで始まりました。
どちらかというと、儲けとか言うよりシェラトンマルシェもそうなんですけど、お客様のため、地域のためにというのと、今後のお子様の手が離れて、寂しいからワンちゃんを飼おうという方々も、旅行はしたいけど、ワンちゃんと一緒に行けない時がある、というときにお預けいただけるようなところです。」
今はこういう時期ですけど、いろんな方に利用してもらえるといいですね。
「そうですね。日帰りでも利用できるようにしてるんです。
ワンちゃんと一緒に来て、トリミングして、シャンプーしてもらっている間に、我々は温泉に入ってちょっとおいしいものを食べて、みんなで奇麗になって帰りましょうという、日帰りでのくつろぎというか。」
なるほど、いろんな利用の仕方があるんですね。
「そうなんです。いろんな利用の仕方がありますので。」
ここはワンちゃんだけでなく、猫とかも預かってもらえるんですか?
「ええ。キャットタワーが2室ありますので。実際にご利用もありました。」
ここを利用する方は、どこで調べて問い合わせとかしている感じなんでしょう?
「今はホテルのホームページとか、当初は何件かメディアに取り上げていただいたこともあるので、そちらの方ですとか、宿泊プランでも出してますので、ワンちゃんと一緒に旅行できる宿で検索したら出てきたりとかですね。」
いろいろ、考えられてるんですね。
ちなみに、今後、何か新しい構想とかってあるんでしょうか?
「そうですね。あとは、14階から16階のデラックスツインとダブルの部屋は、家具のリノベーションをさせていただいたんですけど、来年のどこかでクラブフロアの方もリノベーションを計画しています。」
具体的にはどういった感じの家具になるんでしょう?
「これは、シェラトンのデザイナーがありまして、シェラトンスタンダードに沿ったような形の家具とか壁紙の色調ですね。
マリオットの方は独自のは、なかなか厳しいですね。本当は、コロナがなければもう、夏くらいまでには終わってたはずなんですよ。」
シェラトンの規制がなければ、どんなふうに変えたいとかってありますか?
「やっぱり、家具ですね。38平米の部屋には大きな家具が入ってるんですけど、それを撤廃して、圧迫感がないようなもう少し視界が良くなって、テレビももう少し大きくなって、より、入ったときの感じが広く見えるようなところを、マリオットは言ってるんですけど。
加湿器は全室に置いてるんですけど、空気清浄機も本当はビルドインしなさいみたいな、シンプルに。前は、いろんなものを置きなさいと言う感じだったのを、いまはどんどん撤廃していってる感じですね。」
部屋を広く見せるってことなんですかね。
「そうですね。余計なものは置かないという方針みたいですね。
あとはスマホに対応するようなコンセントですとか、そういったところも作り変えをやっていこうと思っています。」
やっぱり、いろいろブランドチェンジとかされてると、方針とか変わってきますか?
「変わってきますね。いろいろと。
ただ、海外で方針を決めてますので、合わせられるところと、合わせにくいところというのはありますね。
アメリカ、イギリスのスタンダードが日本のスタンダードに合うかというと、全然違うんじゃないかというところもありますし。
逆に日本のスタンダードの方が海外よりも優れてるじゃないかというところもありますし。
本来でしたら、日本の旅館とかでしたら、靴を脱いで上がるという習慣があって、日本にはそういった清潔感もありまして、そういうところも海外はちょっと視点が違うと言いますか。」
そうなんですね。
このホテルで一番大事にしたいところって、あったりしますか。
「やっぱり、来ていただく方にリラックスして帰っていただきたいというのがあるんですけども、その空間だけでなくて、食材も結構こだわってると言いますか、農家さんから直接仕入れている部分とか、シェラトンマルシェとかもありますし、そういった食も化学調味料とかなるべく使わないようにしたり、実は、醤油とかも有機の丸大豆醤油を使ったりとか、目に見えない部分でのそういったことも行ってますね。
そこは、なかなか発表もしにくいんですが。」
そういえば、レストランにも産地とか書いてあったりしますよね。
「あれも、数年前に食品表示の問題があって、食品偽装とか。
ウチは2011年から、そういう取り組みを少しづつやっていたので、なるだけ、顔が見える農家さんの物を入れたりとか、添加物のなるだけ少ないもの、わざと賞味期限の短いものを入れたりとかしています。」
賞味期限が短いものには、何か意味があるんですか?
「やはり、体に良いということですね。
逆に2年間持つということは、化学調味料とかどれだけ薬剤が入っているかというところですね。
ケーキとかはもちろん、1日売り切りなんですけど、焼き菓子とかも賞味期限をなるだけ短くして、添加物が入らなくて良いように。
灘の酒ケーキとか地元の酒蔵さんとタイアップして作っているものも、賞味期限は10日ちょっとなんです。
普通だったら、そういうフィナンシェ系は一ヶ月とか一ヶ月半とかが普通なんですけど。
ただ、たまに製造工程でちょっとミスがあったりとか、『ちょっとカビが生えてました』とかってお客さんからご指摘をいただくことがあって、真摯に誤って対応するんですけど、それくらい添加物は使っていないんです。」
食べ物にかなり気を使ってらっしゃるんですね。
「そうです。そこは、こだわりと言いますか、食については。
マルシェを作ることによって、だんだん農家さんとのパイプができてきて、直接、シェフがLINEで発注したりとか、問い合わせとかもしています。
週に何回か、農家さんの方から直接納めていただいているんですよ。
だから、極端な話、今日、『ホウレン草が欲しいです。』と言ったら、まだ、ホウレン草は畑の中にいる状態です。
それを早ければ、明日の刈り入れで、夕方に持ってくる。
普通のところでは、だいたいスーパーに置いてるものとかも、今は冷蔵技術が素晴らしいので、一週間前とかに取ったものとかも本当に新鮮に保存ができるので、一週間前のものを新鮮野菜として食べているような状況なんですよ。
コロナ前でしたら、いろんな農家さんとかとイベントもやってたんです。
朝採れホウレン草っていうのを一回、マルシェのところで販売をやってたんですけど、一袋、つかみ取り100円で。
普通、ホウレン草っていうと、栽培する時に窒素とかいろんなものを入れて大きくするんですけど、なるだけ、そういったものは使わずにやってるので、生で食べられるホウレン草なんです。
普通、湯がいてジャリジャリするじゃないですか。そういったジャリジャリ感がなくて、朝採れホウレン草を朝、販売して、購入した人が『おいしかったから、ディナーにも食べたい』と、もう一回買いに来るという事もあります。
そういうのは、生産者の方にご協力いただいているところです。」
それは、この近所の兵庫県の農家さんですか?
「そうです。それと、何かのご縁で熊本フェアを2016年の熊本地震があった年に、たまたまやってたんですけど、そこから、ずっと、熊本が大変ということで、支援と言いますか、熊本の加工品の業者さんですとか、毎月入れています。
農家さんによって、入れる量が限られているんです。
うちが2013年から長続きしているのは、無理のない範囲でやりましょうということで、20発注しても、15しかなかったら、『それでいいです。』ということでやってます。
なので、今では朝食の野菜なんかも大半が農家さんから直接入れてもらってるんです。
多い時ですと、かなりの量になるんですけど。」
そうですよね。ブッフェスタイルだと、入れても入れてもすぐに無くなって、補充が追い付かない感じですよね。
「実は、料理長のこだわりで、野菜とかはなるだけ、前日から切りっぱなしのを出すというのはイヤなんですよ。
キャベツの千切りにしても、なるだけ直前に用意しようとしています。
本当はこういう時期ですと、サラダも一人一つのサラダにしようかと思ってたんですけど、やっぱり、サラダがお好きな方は、もっとお好みで取れるようにマイトングコーナーにしています。
葉物野菜も日によって変えてます。どちらかというと、マルシェもそうなんですけど、『儲けというよりは情報発信の場』と言いますか、お客様に兵庫県を中心とした、いろんな商品を紹介することによって地域の方も、生産者の方も喜んでいただけます。」
そうすると、利用して欲しい客層と言いますと、どんな感じになりますか?
「実情を申し上げると、神戸ベイシェラトン は関西圏、近畿圏の方が8割以上なんです。
だから、やっぱり、そういうところを大切にしていきたいというのがありますし、それから、関東や海外から来ていただけるお客様も、やっぱり地元の方が『間違いない』と言っていただけるところは、その方々も絶対に喜んでいただけると思っていますので、地産地消というところとホテルらしさの珍しさや目利きの商品というのは、今後もずっとセレクトしていきたいですね。」
たとえば、どんな商品を紹介したいとかってありますか?
「このシェラトンマルシェと別にベイリーフっていう店舗があるんですけど、シェラトンマルシェはフードセレクトショップ、ベイリーフはどちらかというと兵庫県とか神戸のお土産物やUSJの唯一のアンテナショップでもあるんです。
USJが休館してても、USJショップで神戸ベイシェラトン だけが開いてたんです。その一角に、いろんな兵庫県の瓦の商品とか、器とか、サンダルも売ってるんですよ。
以前、『陸王』ってドラマがあったんですが、そこのソールを作られてる会社が元々の長田区にありまして、そのソール屋さんとコラボして、長時間履いてても疲れにくいサンダルとか、普段ではなかなか売れないようなものを置いたりとか、豊岡のカバンを置いたり、淡路のお香を置いたりとか、兵庫県にはこういうものもあるという、情報発信の場にしています。
だから、わかる方は買っていかれるんですけど、サンダルが八千円くらいするんですよ。家の中で履いてる方もいらっしゃいます。」
けっこう、反響は良いんですか?
「いえ、そんなにバァッとは売れないんですけど、買われた方は買って良かったと仰っていただけます。」
それじゃ、その商品も日々、開拓してるんですかね?
「そうです。今日もある兵庫県の北部の地域の方が、クレイの土を使った石鹸の提案をされてました。一個二千円くらいするんですけど。」
やっぱり、それだけ良いものなんでしょうね。
「そうですね。土の成分の粒子が六千万年前の恐竜の時代が一番、地球環境が良かったらしく、その時の溜まっていた土の層がすごい栄養分を蓄えたそうなので、そういうものを使ってお野菜とか作ったら、農薬とか要らずに、土とお水だけでおいしいお野菜が育つというような、土のクレイの成分と石鹸を混ぜ合わせて作ってみたら、アトピーに効果が期待出来たり、傷口を洗うと傷がふさがりやすかったりとか、毛穴の中に入って汚れを落としたりとか、非常に体に良いということです。
今はコロナでワクチンやら人工的なもので作ったものを摂取して、防御とかしてますけど、本来は我々が持ってた治癒力とかいうのを活性化できるような、そういったものも置いてみようかと思っています。
ずっと、熊本フェアをやってたので、全九州フェアをやってほしいという依頼が九州連合軍からきまして、熊本、大分、沖縄とかいろんな商品を置いて販売を企画しています。
フェアは来年の実施になるので、先行販売のような企画もしています。」
今はなかなか旅行もしにくいですし、田舎にも帰りにくいので、郷土を懐かしく思う人もいるでしょうね。
「価格も高いものも置いてるんですけど、だいたいは手に取って、買って帰りやすいような価格帯で納めていただいて、しかも、『良いね』と行っていただけるような商品を選んでますので、インターなどに大量に置かれているような商品とかを持って来られても、お断りしています。」
それじゃ、いろいろこだわりを持って、本当に勧められるものを選んでるんですね。
「はい。微力ではありますが、生産者の方も喜んでいただけますし。神戸ベイシェラトンでやってるのは、一発だけの打ち上げ花火のようには終わらせないというか、イベントの時だけ商品仕入れて、というのではなく、ずっと何年もお付き合いになっています。」
それじゃ、お客さんも近隣の方に長く利用してもらいたいということなんですね。
「そうですね。毎日、来られてるお客様とかもいらゃっしゃいますし。目的をもって利用される方も多いです。
駅に直結してますので、お仕事帰りに寄られたり、価格も小売価格で販売してますので、ワインとかもホテルじゃないような価格で販売してますし、儲けは考えていないんですよ。」
駅直結ということですが、三宮からだとバスになりますか?
「そうですね。住吉から六甲ライナーかバス、あとは車で来られる方もいらっしゃいます。」
三宮や大阪からだとちょっと不便な気もしますが、どうなんでしょう?
「あんまり言われなくなりましたね。
昔はよく言われてました。わざわざ片道二百数十円払ってというのがあったんですけど、今はわざわざ払って来ていただけるようになりましたし、静寂な六甲アイランドなので、ガヤガヤしてないというので、来ていただける方も多くなりました。」
そうですね。三宮で遊ぶのが目的なら、わざわざここまで泊まりに来るって感じですけど、最初からここが目的なら、わざわざ感はないですよね。
「そうですね。そういう人が増えましたね。もちろん、二泊とか三泊とか連泊されてる方が、二日目はちょっとハーバーランドの方に行って、というような方もいらっしゃいますけど。」
これからも地元の方や地域の方の良い商品を、どんどん広めていってほしいですね。
お忙しいところ、ありがとうございました。
2020年12月